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ニューヨークの重症例でウイルス性肺炎:海外で勢い増す新型インフルエンザ  米国ニューヨークで重症化例が急増中

ニューヨークの重症例でウイルス性肺炎、押谷先生講演録

海外で勢い増す新型インフルエンザ
米国ニューヨークで重症化例が急増中
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200906/511192.html
 「米国では、新型インフルエンザの死亡者が連日増えている。6月12日までに累計で45人が死亡し、全米で1000人以上が入院している。入院者数や死亡者数は今後も増加する可能性が高い」。6月13日、東京国際フォーラムで開催された第49回日本呼吸器学会学術講演会(会長:東京女子医大内科学第一講座永井厚志氏)で、東北大微生物学分野教授の押谷仁氏が、米国ニューヨーク市の状況を紹介し、日本での新型インフルエンザ対策の一層の強化を訴えた。

 米国では現在、新型インフルエンザの死亡者数が増え続けている。米疾病対策センター(CDC)の発表では、6月12日までの累計で45人が死亡。全米で1000人以上が入院している。入院患者の大部分は重症の肺炎で入院しており、入院者数や死亡者数は今後さらに増加する可能性が高い。

 また、ニューヨーク市の発表によると、6月2日時点で入院患者341人、死亡7人だったのが、6月12日までのわず10日間で、入院者数567人、死亡15人と急増。全体の21%に当たる117人は、ICUでのケアが必要だった。

 ニューヨーク市では、当初の発症者は若年者が多かったが、最近では50~60歳代や小児の入院も増えている。押谷氏は「米国では、日本で言ういわゆる措置入院(隔離のための入院)を現在はほとんど行っていない。そのため、567人の入院患者の大部分の患者は実際に入院が必要な症状があったものと考えられる」と説明する。

 入院・死亡患者の背景に関しては、約8割が何らかのリスクファクターを持っていることが分かった。特に、喘息や慢性呼吸器疾患を有する患者や、妊婦などが多かった。

 死亡者15人の内訳は、14~65歳が中心で、小児や高齢者は少なかった。死亡者のうち11人が何らかのリスクを有しており。それ以外の4人にはリスクファクターがなかったが、肥満があった。なお、メキシコでも高度の肥満の死亡例が多いとの情報がある。

 重症化の病態や重症化の原因については、徐々に明らかになっている。押谷氏は、「患者の胸部X線写真などはまだほとんど公開されていないが、これまでに報告された症例の状況などから、重症化例の大部分は、インフルエンザによるウイルス性肺炎に急性呼吸促迫症候群(ARDS)を合併していたと考えられる」と話す。

 押谷氏は、新型インフルエンザで死亡した患者の剖検結果に関し、ニューヨークの医師から聞いた話を紹介。剖検した5例のいずれも、上気道から下気道まで高度にウイルスが増殖しており、ウイルスの複製量が通常の季節性のインフルエンザより桁はずれに多かったという。「ほとんどの人が新型インフルエンザに対する免疫を持っておらず、基礎疾患がある人や免疫が落ちている人は、ウイルスの増殖を全くコントロールできなくなっている可能性があるのではないか」と押谷氏は推測する。

 さらに、一部で多臓器不全のような例も見られており、サイトカインストームが起きている恐れもあるとした。2次性の細菌性については、少なくとも若年者の例では、主な重症化因子ではない可能性が高いという。

日本でも感染拡大の可能性大
 一方、日本での状況について押谷氏は、①感染源が特定されない例が多数見つかっている②感染していても、症状が軽く本人が気づいていない可能性がある③自宅待機などを避けるため、感染の恐れを自覚していても名乗り出ていない人がいる可能性がある④一部の自治体が新型インフルエンザへの感染を確定するPCR検査を積極的に行っていない――などの理由から、日本でも感染拡大が続いているはずだと訴えた。

 今回の新型インフルエンザは、ニューヨークや関西の例を見ても、感染性はかなり高い。本格的なシーズンに今回のウイルスの流行を経験した国はまだなく、このウイルスの感染力や毒性がどんなものなのか、全体像はまだ見えていない。「メキシコなどでの流行は、一見大規模に思えるかもしれないが、まだごく初期のパンデミックと考えるべき」との見解も示した。

 現在、オーストラリアのメルボルンなどで感染が急速に拡大しており、今後、南半球がシーズンを迎える7~8月に状況がどのように変化するかが注目される。日本でも若年者を中心に患者が見つかっているが、地域で感染が拡大し、呼吸器疾患を有する人や妊婦などのリスクがある人に感染すると、重症化する例が増える可能性がある。引き続き、一層の警戒が必要だろう。

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